清掃会社でkintoneを使うには?顧客・現場・作業報告の設計例
清掃会社でkintoneを検討するときは、「予定と報告をまとめたい」を、誰が何を登録し、何を見て次の仕事へ進むのかに分けます。顧客、現場、毎回の作業を別々に整理し、架空の現場で更新と引き継ぎを試すと、必要な設定を具体化できます。
この記事では、清掃会社向けの項目設計と導入前の確認例を示します。完成済みのkintoneアプリを配布する記事ではありません。以下の会社名・ID・運用手順は説明用の架空例です。
1. 清掃業務での利用例と、自社で決めること
サイボウズの公式事例には、物件などの基本情報と作業報告を管理し、現場から写真付きで報告する清掃会社の例があります。これは個社が構築・運用した事例です。同じ設定や効果が自社でもそのまま得られるとは限りません。公式の清掃会社事例
最初に、現在の困りごとを一つ選びます。たとえば「作業報告がどの現場のものか探し直している」なら、現場IDと実施回の対応を試します。「次回案内を忘れる」なら、確認日と対応担当の一覧から始めます。報告書の出力、顧客への公開、会計連携なども必要なら、それぞれ標準設定・追加サービス・個別開発のどれで扱うかを確認します。
2. 顧客・現場・作業予定・実施報告を分ける設計例
次の表は、作業の実施回を履歴として残すための案です。すべての会社に四つのアプリを必須とするものではありません。少ない項目から試し、同じ情報の二重入力や履歴の上書きが起きる箇所を見つけます。
表は横にスクロールできます。
| アプリ案 | 1件として登録する単位 | 項目の例 | 更新する担当の例 |
|---|---|---|---|
| 顧客 | 契約先1社 | 顧客ID、名称、連絡窓口、窓口の用途 | 事務担当 |
| 現場 | 建物・作業場所1か所 | 現場ID、顧客ID、現場名、所在地 | 事務担当 |
| 定期作業 | 現場内の作業種別1つ | 作業ID、現場ID、作業内容、契約に基づく周期、次回予定日、案内状況、対応担当 | 予定管理担当 |
| 実施報告 | 作業の実施回1回 | 報告ID、作業ID、実施工日、実施範囲、残件、必要な写真、確認状況 | 現場担当が記入し責任者が確認 |
たとえば「C-101:若葉管理」「S-201:若葉ビル」「J-301:共用部床清掃」に対し、9月の実施報告を「R-401」、次の実施報告を「R-402」として残す案です。建物のガラス清掃は別の作業IDにします。床清掃の完了で、ガラス清掃まで完了扱いにしないためです。
次回予定と履歴は役割が違います。報告を確認した後、予定管理担当が契約と日程調整の結果を確認して次回予定を更新する手順を試しましょう。この設計例では、報告登録による次回予定の自動生成は設定していません。
IDの付け方や同じ建物を重複登録しない整理は、清掃会社の顧客台帳で確認できます。
項目設計の例
説明用の架空例です。設定済みアプリや自動連携の図ではありません。
- 顧客
C-101 若葉管理
契約先を1社ずつ記録
- 現場
S-201 若葉ビル
顧客ID:C-101
- 定期作業
J-301 共用部床清掃
現場ID:S-201
- 実施報告
R-401・R-402 それぞれの実施回
作業ID:J-301
関連レコード一覧は、定期作業と実施報告の作業IDを照合する案です。次回予定の自動生成は含みません。
3. 値をコピーするか、関連する記録を表示するか
kintoneのルックアップは、別のアプリの情報を取得して入力に使えます。ただし、元のマスターを変更しても、取得済みの値は自動で新しい値に置き換わりません。公式:ルックアップの設定
一方、関連レコード一覧は、条件に合うレコードをまとめて表示する機能です。この例では、定期作業の作業IDと実施報告の作業IDが一致する報告を、定期作業から一覧表示する構成を検討します。コピーして保存する情報とは区別します。公式:関連レコード一覧
設計時は、連絡窓口のように最新情報を見たいものと、報告時点の作業内容のように当時の記録を残したいものを分けます。どの値を取得し直すか、過去の記録は維持するかを決めないまま、一括更新する運用にはしません。
4. 承認の流れと、見せる範囲を別々に試す
報告について「記入中→確認依頼→確認済み」のような受け渡しが必要なら、プロセス管理を検討できます。担当者と次の操作を決めて設定する機能です。この記事の状態名は運用案であり、設定済みテンプレートではありません。公式:プロセス管理
そのうえで、閲覧だけの人と編集する人を分けます。kintoneにはアプリの閲覧・追加・編集・削除などのアクセス権設定があります。共有できることを確認するだけでなく、許可しない操作も本人のアカウントで試します。公式:アプリのアクセス権
社外の顧客にも見せる場合は、社内用と同じ設計でよいとは扱いません。アカウント条件、公開範囲、社内メモや別顧客の情報が表示されないことを、導入担当へ確認します。引き継ぎの役割分担は、複数担当で予定を共有する方法も参考にしてください。
5. 架空の現場で試す受入確認表
説明を聞いた項目と、自分たちで操作を試した項目を分けて記録します。各行に「合格・不合格・未確認」、確認者、日付、修正担当を残してください。
表は横にスクロールできます。
| 試す場面 | 確認する操作 | 判断する内容 |
|---|---|---|
| 同じ現場に床とガラスの作業がある | 床だけを報告し、両方の予定を開く | 別作業の予定や履歴を誤って更新していないか |
| 顧客の連絡窓口が変わる | マスター変更後に、既存の予定と過去報告を開く | 最新情報と保存済みの値の違いを説明できるか |
| 現場担当が報告する | 本人のアカウントとスマートフォンで入力する | 必要な項目を入力でき、不要な編集を許していないか |
| 担当者が休む | 代行者のアカウントで返事待ち案件を探す | 最新の対応記録と次の確認日を見つけられるか |
| 運用後に項目を追加する | 管理担当がテスト用アプリで変更する | 設定変更・確認・周知を引き受ける人が決まっているか |
一度の試用で長期運用のすべてを確認できるわけではありません。未確認の項目は、問い合わせ先と次に試す操作を残します。現場に不要な必須項目が多い場合も、そのまま運用開始せず入力担当と見直しましょう。
6. 自社で組み立てるか、用途に合うサービスを使うか
kintoneを使う場合は、アプリを作る担当だけでなく、運用後に項目・権限・手順を見直す担当を決めます。設定や改修を依頼するなら、引き継ぐ資料と対応範囲まで確認します。候補同士は、清掃管理ソフトの選び方の確認項目を使って同じ条件で比較できます。
定期作業の次回予定と案内状況の管理を検討している場合は、定期くんの操作デモでも操作の流れを確認できます。定期くんはkintoneとの連携に対応していません。本記事のkintone設計例が定期くんに実装されていることを示すものでもありません。必要な管理範囲を整理してから、候補を試してください。